自称「日本一、人見知りする社長」です。資金なし、人脈なし、人望なし、自信なし、ゼロからの独立起業から9年経過。現在は年商10億円にまで成長しました。その過程では、詐欺、横領、裏切り、謀反、男女問題、人間不信、様々な問題が勃発。どんな本にも書かれていない、生々しい真実を赤裸々に書き綴りました。本当の学びは、真実から得られます。起業の裏側、経営の光と闇をのぞき見したい方は続きをどうぞ・・・・
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2008年03月13日

人見知りの私が社長になるまで 第10話

なんでもみんなで話し合って決める!!
これが、全員で決めた最初のルール
しかし、いつしか会社は、Nのワンマン体制に
どんな理不尽も、必死に耐え忍ぶ山本
山本の堪忍袋は、いつまで持ち堪えれるのか・・・・



あなたは、歴史上の人物で独裁者と言えば誰を思い浮かべますか?
ソ連のスターリン、中国の毛沢東、イラクのフセイン、などなど
いろいろな人物が思い浮かぶと思いますが、
しかし、独裁者の代名詞といえば、
なんといっても、ドイツのアドルフ・ヒットラーではないでしょうか?
「独裁者」という映画の中で、チャップリンが演じたのもヒットラーでした。

ヒットラーは、言うまでもございませんが、
第二次世界大戦で世界を戦渦に巻き込み、ユダヤ人を殺戮し尽そうとした
狂気の独裁者です。

しかし、最初から狂気の独裁者だったわけでは、ありませんでした。
いつのまにか、狂気に走っていったのです。

ヒットラーは、もともとは民主的選挙によって選出された、いち政治家でした。
政治家としての彼はすごく有能でした。
世界恐慌の真っ只中、失業率が30%を超え、600万人の失業者を
抱えて、破産寸前だったドイツ経済を、ヒットラーは復興させました。

斬新な政策を次々と打ちたては、成功させ、数年も経たないうちに
ドイツ総生産力は世界経済の10%を超え、アメリカに次ぐ世界第二位の
経済大国に生まれ変わらせたのです。

ヒットラーは、徐々に国民の信頼を得て、
ついには民主的選挙によって、「独裁者」としての地位を与えられたのです。

なんでヒットラーの話をしたのか?

ワンマン経営者(リーダー)と独裁者のたどる道は、とても似通っているからで、
Nさんを語るにはちょうどよかったからです。

Nさんも、すごく有能な人でした。
だから、みんながリーダーとして、認めたのです。

Nさんが最も得意なのは、交渉でした。
タフネゴシエーターN、とみんなが呼んでいました。

得意の交渉で、上位代理店から次々と好条件を引き出して来るのです。
インセンティブ額のアップ、支払い時期の繰上げ、
好条件を勝ち取ってくるたびに、Nさんは全員を前にして
「おまえら、喜べー」と自慢げに話しするのでした。

そう、まるでテストで100点を取った小学生が、
お母さんに褒められたい一心で、
学校から帰ってきて、真っ先に見せびらかすような無邪気さです。

「Nさん、助かったわー」「すごいなー」「ありがとう」
みんなにそう言われて、Nさんは非常に満足気でした。

Nさんの交渉のやり方は、基本的にいつも一緒でした。
それは、チキンレースです。
北朝鮮の金正日と同じです。

つまり、「この条件を出さなければ、辞める、よそと契約する」
こんなスタンスで交渉を進めるのです。
はっきり言ってハッタリなのですが、非常にやり方がうまいので、
最終的には、相手が折れてしまい、好条件を勝ち得るのでした。

Nさんの交渉現場、私は同行することが多かったので、
横目でみながら「エグいなー」「そこまでするか」「自分ならそこまで出来ない」
と感じていました。

そんな、タフネゴシエーターNと私が、
数ヵ月後、真正面から対決することになろうとは、
今の段階では思ってもいませんでしたが・・・・・・

営業以外は、Nさんがすべて引き受けるという、役割分担が自然にできました。
Nさんに任せれば大丈夫という、安心もあったのです。

しかし、問題はここからです。
ヒットラーが、狂気の独裁者になったように、
前号でも話しましたが、
徐々にNさんが、横暴なリーダーになっていったのでした。

Nさんは、経費をドンドン使い始めました。
「新型のパソコン買っていいか?」
「日経新聞取っていいか?」
「ビジネスフォン入れていいか?」
「コピー機入れていいか?」
ものすごい勢いで、経費を使っていくのでした。
一応、買う前に相談があるものの、
「もう少し、資金に余裕ができてから」
と言っても、止まりません。
Nさんは、一度欲しいと思ったら、
手に入らないと気がすまない性格でした。
「これは、自分の為に買うわけでない。会社として必要なのだ!!」
高らかに大義名分を掲げて、押し通します。

経費は、ルールで決めたとおり、全員で頭割りです。
Nさんが使えば使うほど、一人当たりの負担額が増えます。
あと問題は、Nさんは営業を回っていないので、そもそも収入が発生しません。
だから、Nさんの負担額を誰かが被らないといけないのです。
インセンティブが、一番多いのは私でしたから、結果的に負担することに
なってしまいました。

次は、Nさんは何を欲しがるのか?
みんな戦々恐々としていました。

そして、ある日、最悪の事態が発生したのです。

一日の営業が終わって、事務所に戻ると
Nさんが何気に、私に向かって、
「新しい事務所を見に行くぞ」と言ったのです。

信じられませんでした。
なぜなら、つい最近、事務所を移転したところです。

Nさんは、今の事務所が気に入ってなかったのです。
汚い雑居ビルで、部屋の形も、何故か三角形。
お世辞にでも、快適とは言えません。

しかし、お金のない我々にとっては、身分相応のはずです。
Nさんは、前々から冗談めかして
「すぐ引越しするでー」とは、言っていましたが、
本当に行動に移したのでした。

事務所を移転すると、また経費がドッと増えます。
しかも、Nさんの分を負担しないといけないのは、私です。

今度ばかりは、猛反対しました。
しかし、「山本、心配するな。とりあえず見るだけやから」と、
なだめられ、結局、一緒に見に行くことになりました。

Nさんは、一件一件真剣に物件を見ていました。
そして、Nさんの眼鏡にかなう物件が見つかってしまいました。
エレベーターに続く、エントランスがレンガ造りで、おしゃれなビルでした。
当然、それなりの家賃で、現段階の我々にとっては、高嶺の花です。
「山本、あのビルいいと思わへんか」
一貫の終わりです。
欲しいと思い出すと止まりません。


「見栄えの悪いビルだと、来客も呼べない」
「狭いから、営業マンも増やせない」
「このままだと、会社の発展は望めない」
「今こそ、手を打つときだ」

Nさんは、またもっともな大義名分を掲げて、みんなを説得しようとしました。
しかし、今度はNさんの思い通りには行きませんでした。
なぜなら、最年長のKさんが、猛然と反対したからです。
みんな心の中で、Kさんを応援しました。
Kさんにだけは、年上ということもあり、しぶしぶですが、Nさんは従いました。

しかし、これをきっかけにして、KさんとNさんの主導権争いが始まったのです。
KさんはNさんの言うことを、すべて反対しました。
反対することによって、Nさんに反感を持っているメンバーを
味方につけようという、Kさんの計算です。

KさんとNさんは、たびたび衝突を繰り返すようになってしまいました。
会社の雰囲気は最悪。
いつ空中分解してもおかしくない状態でした。

しかし、それで黙っているNさんではありません。
ついに強硬手段に出たのです。

メンバー1人を、秘密裏に説得して、
お金を出させて、
例のレンガ造りの事務所を契約してしまったのです。

そして、Nさんは全員を前にして、こう言い放ちました。
「事務所を移転する。ついて来たい人だけ、来ればいい」

そんなことを言われても、Nさんについて行くしかないのです。
なぜなら、会社の代表であり、実印も通帳も押さえているのは
Nさんだからです。
そこまで計算しての、行動です。

というわけで全員、新事務所に移転することになりました。

移転後も、Nさんの行動は変わりません。
基本的には、一日中事務所にいます。
営業には、一切出ませんでした。

しかし、当初決めたルール
「自分が取った営業は、全て自分の取り分」
ここは変わりません。
ですから、逆に言うと、営業をしない限り
収入が発生しないのです。
だから、Nさんは収入がないのです。

みんな心配すると同時に、
「突如、ルールを変更するのではないか」
「通帳から、お金を勝手に引き出すのではないか」
「ある日、突然、全てを持って、逃げるのではないか」
いろいろな不安がよぎりました。

とりあえず通帳を確認しようにも、Nさんが肌身離さず
持っています。
通帳、実印、契約書、インセンティブ条件
全ては、Nさんのカバンの中にありました。

用心深いNさんは、トイレに行くときも
カバンを手放しませんでした。
全ての情報が、Nさんに独占されていたのです。

そんなある日、Nさんが珍しく早く帰りました。
事務所は、私と事務員のAさん、二人だけとなりました。

事務員のAさんは、Nさんの事を慕って、前の会社から
追いかけて来た人です。
しかし、Nさんの変貌ぶりを目の当たりにして、
気持ちは変わっているようでした。

Aさんは、私に向かって、言い難そうに、
「実は、山本さんにNさんの事で、相談したいことがあるのです。」
と言ったのです。

とりあえず、ここでは戻ってくるかもしれないので、
近くの喫茶店で話することになりました。

そして、Aさんの口から出た言葉を聞くと、
「やっぱり、そうかー」と思える内容でした。
そうです。
不安が的中したのです。

どんな不安が的中したのか・・・
Nさんは、一体何をしていたのか・・・・・
次号では、遂に山本とNが対決・・・・・・
勝利の女神は、
果たして、どちらに微笑むのか・・・・・
次号に続く

2008年02月04日

人見知りの私が社長になるまで 第9話

苦節6年、念願の月収100万円達成!!
一括返済、サラ金地獄脱出に成功!!
気分は最高の山本、しかし・・・
奈落の底へ突き落とす、Nからの電話。
怒り狂うN。必死に耐える山本。
なぜいつも穏やかなNが、怒り狂ったのか?
山本は、どんなルールを破ってしまったのか・・・・・



信頼・尊敬・憧れ、そんなものは全て脆くも崩れ去りました。
人は、恐ろしいものだとあらためて思い知らされました。
何を信用してもいいのか、わからなくなりました。

それほどまでに、電話口でNさんは、私のことを、汚く罵ったのです。
テレビ電話ではありませんから、顔は見えないはずですが、
心のスクリーンでは、醜く歪んだNさんの顔が浮かびあがりました。

このまま、事務所に戻らず、逃げようと思いました。
しかし、逃げることは出来ません。
まだ、全てのインセンティブを手にした訳では、ないですし、
仮に逃げても、これほどの好条件で、働けるところがないからです。
逆に言うと、悲しい事に、これ位しか戻る理由が見当たりませんでした。

そもそも、何故、Nさんが怒り狂ったのか?
それは、前回の最後にも話しましたが、Nさんが決めたルールを破って
しまったからです。

それは、どんなルールだったのか?
破って当然のルールでした。
他のメンバーも、誰かが破ってほしいと思っていたルールです。


私が、先頭を切って破ったのです。

そのルールとは、「お金を扱うのは、事務員であるAのみ」です。
つまり、全てのインセンティブは、事務員のAさんが現金で払う。
「Aさん以外は、通帳、現金に近づいてはならない」というルールです。
なんの意味があって、決めたルールかは、わかりません。
しかし、Nさんはそこにこだわったのです。

別に問題ない、と思われ方もしれませんが、一つだけ問題がありました。
銀行から、事務所までお金を持ってくることです。

全員分のインセンティブですから、けっこうな大金です。
銀行からおろして、事務所にお金を持ってくるのは、当然、事務員のAさんの役目です。

場所は、大阪です。ひったくり全国ナンバー1の土地柄です。
「もし、事務所に来るまでに、ひったくられたらどうしよう」
私だけでなく、みんなそう思ったようでした。
Aさんは、小柄で細身です、襲われたらひとたまりもありません。
しかも、お世辞にでも、しっかりしているとは言えない女性でした。
「ぽわーん」とした感じの天然です。
もし、ひったくり犯が狙いを付けたとしたら、絶好のカモです。
Aさんの身も危険です。みんな大丈夫かなと心配しました。

もし、万が一でもあれば、2ヶ月間の努力が水の泡です。
目前にまで迫った、月収100万が、消えてしまいます。

そのことをNさんは、察知したのか、前日の帰り際、私に向かって
「山本、明日、Aと一緒に、絶対に銀行に行くなよ」といいました。

しかし、次の日、護衛をする為、Aさんと一緒に銀行へ行きました。
当然、Aさんに口止めをしたのですが、何故かNさんに話したようでした。
もしかしたら、Nさんが、かまをかけたのかもしれませんが、とにかくバレたのです。

Nさんの怒りは、事務所に戻ってからも、まだまだ延々と続きました。

自分自身、悪いことをしたとは思っていません。
むしろ、当然の事をしたと思っていました。
他のメンバーも、みんなそう思っているはずです。

しかし、一方的に怒鳴られている、私を横目で見ながらも
誰も助け舟は、出してくれませんでした。
いつしか、会社は、Nさんのワンマン体制になっていたのです。

とにかく、黙って時が過ぎるのを待ちました。
何を言われても、黙り続けたのです。
それが一番の解決方法だと、知っていたからです。
なぜなら、昔からずっとそうしてきたからです。

怒り狂っているNさんを見ていると、昔の記憶が甦ってきたのです。
Nさんの顔が、ある男の顔とダブって見えてきたのです。

そう。ある男とは、昔の母親の男(彼氏)です。

母は、私がまだ小さいころに、離婚しました。
それからは、夜のスナックで働いて、母一人子一人で育ててくれました。

私が、小学校5年になったころ、母親に男が出来ました。
お店のお客さんです。語弊があるかもしれませんが、場末のスナックの女に
転がり込んでくる男は、ロクな男はいません。
案の定そうでした。

最初は仕事をしていたようですが、
家に転がり込んでくると同時に、働かなくなりました。
つまり、結果的には、母が養っていたのです。
そして、とても横暴な男でした。
少しでも気に食わないことがあると、母に手を上げていました。

身長は、180p以上ある、大男です。
当時の10歳の私では、とても腕力ではかないません。
手を上げられる母親を見ながら、怖くて震えている自分の無力さを呪った事も
度々でした。

そして、その横暴さは、時折、私にも向けられたのです。

男は、機嫌が悪いと、決まって、八つ当たりをしてきたのです。
正確にはわかりませんが、愛情のような物は感じなかったので、
おそらく八つ当たりだったと思います。
しかも、認めたわけでもないのに、父親づらをして、もっともな理由を付けてです。

言うことは決まって「勉強しろ」でした。
それを言われると、すぐにテレビを消して、勉強を始めないといけないのです。
すこしでも、モタモタしていると、次の怒声が飛んできます。
とにかく、やる気が無くても、勉強するフリをしました。

最初のころは、口答えもしました。
しかし、少しでも口答えしようものなら、大変でした。
頭ごなしに押さえつけられるのです。
殴られかけたこともありましたが、母が身を挺して止めてくれました。

「この子は、誰にも手を上げられることなく、今まで育ててきたんや、もし殴ったら殺してやる」

母の気迫に圧倒されたのか、男は私に対しては、手を上げようとは二度としませんでした。
しかし、機嫌の悪いときは、理不尽な理由で、怒りをぶつけられる事は、度々です。
例えば、トイレの鍵を閉めただけで、怒られた事もありました。
「おまえは、オレを信用していないのか」と・・・・・・・。
でも、口答えはしませんでした。
自分さえ、黙って我慢すれば、男の機嫌もやがては直り、母親が殴られることもないからです。
その当時、心に強く誓ったことがありました。
絶対に、こんなしょうもない男にはならないと・・・・・・・。

今回の出来事が、そのときの記憶と、ピッタリと重なったのです。
だから、何を言われても我慢できました。
しかし、口には出さないものの、決心しました。
「インセンティブさえ全て貰ったら、こんな会社辞めてやる」と・・・・・。

しかし、予想外の展開です。
2ヵ月後、Nさんが会社を去ることになりました。
自ら去っていったのです。
Nさんも、私と同様、心の奥に深い闇を抱えているのでした。
おそらく、その心の闇に突き動かされて、激しい怒りが出てきているのです。
そして、それが原因で、自ら去っていくのでした。

Nさんが、何故、自ら去っていたのか?
リーダーを失った、コミュニケーションラインは、どうなってしまうのか?

次回に続く

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